「Game C」──静けさのなかにある、最速の判断
3日目。
ようやくこのゲームの、本当の顔が見えてきた気がする。
選んだのは Game C。扉が5つ並ぶ、サルーン内の早撃ち勝負。
銃声も、ドローの声もない。ただ、扉が開くだけ。
やってみると、このモードは他とはまったく違う。
ドアが開いて敵が現れた瞬間に、引き金を引く。
ただそれだけの繰り返し。
でも、1回ごとに集中が削られていく。
反応が遅れれば撃たれる。
反応が早すぎても、当たらない。
タイミングは「敵が見えてから、ほんのわずかあと」。
その“ほんのわずか”が、感覚で掴めるようになるまではミスが続いた。
3回目のプレイでようやくリズムが整う。
扉が開く音。敵の顔。手の動き。命中音。
音と動きが一致して、5人連続で倒せた時は、自然と息を止めていた。
6人目を撃ち抜いたあと、画面は静かだった。
何も変わらない。ただスコアが更新されて、次の扉が開く。
それだけなのに、撃てたことが嬉しい。
このモードに、特別な演出はいらない。
敵が出てくるか出てこないか?なんて考える必要もない。
**「必ず出る」**とわかっていても、手が遅れる。
ゲームなのに、自分自身との駆け引きが一番多い。
1ラウンド10人。
10人すべて倒すのはまだ無理だった。
けれど、今日ははっきりわかった。
このゲームの肝は、正確な習慣化だ。反射ではない。練習の蓄積で手が動くようになる。
明日はもう少し、扉の先に早く反応できるかもしれない。
でも、焦りは禁物だ。
このモードで一番やってはいけないのは、「先に撃とうとすること」だった。