パネルと弾と、空と地と──最初の出撃
ステージ1:空と地の二重奏、パネルの意味を学ぶ序章
右へ右へと、無言の命令のように強制スクロールしていく空。
誰に命じられたわけでもないのに、我が戦闘機は黙々と前進する。
画面には青い空と、下に敷かれた都市のような地表。敵がわずかに現れる。
戦闘機型、鳥型、円盤型……どれも敵意に満ちた動きではないが、油断はできない。なぜなら、「弾を撃ってこない」代わりに「こっちに突っ込んでくる」からだ。
このゲーム、最初は本当に弾幕シューティングっぽくない。
でもだからこそ、事故死が多い。敵が明らかにこちらを狙って曲がってくるのがわかると、慌てて避けたくなる。でも画面上半分には自機は進入できない。
つまり、逃げ道はない。自機は下半分でしか戦えない。逃げ場を失った機体は、空中の敵と地上の障害物の間を器用にすり抜けなければならないのだ。
そして、地上にはアルファベットのパネルが配置されている。
「P」パネル:これを3つ壊すと自機のショットが強化される。最初は細い単発の弾が、分裂して横に広がる。
「B」パネル:これも3つでバリア展開。一時的に「無敵」となるが、対空ショットは使えなくなる。
「L」パネル:直接はパワーアップに繋がらないが、スコアを増やす重要なパネル。
パネルは地上に置かれており、「Aボタン」での対地攻撃で破壊可能。
ただしこの対地ショット、弾速が遅く、判定もややシビア。真上からの直撃が必要になる。敵を避けつつ、この地上パネルを確実に壊す作業。これが忙しい。
とくに「P」の重要性は明白だった。自機の初期ショットでは明らかに画面処理が追いつかない。「3WAY」に進化すると、ようやく“戦っている”という感覚が芽生える。
そしてこの段階で気づく。パネルは「一定の位置」に置かれている。
つまり、覚えてしまえば狙い撃ちができる。ランダム配置ではない以上、これは“記憶ゲー”としての側面も持っているのだ。
1面の終わりに向かって、敵の密度がわずかに上がっていく。とはいえ、まだ「体験版」のようなものだ。プレイヤーに遊ばせている感覚。しかし、甘さの中にある、じわじわと迫る圧がある。
ステージ2:撃ちこめ、バリアは切り札。変形の罠に気をつけろ
2面に突入すると、最初に気づくのは「背景の変化」──地表に鉄パイプのような構造物が並び、やたらと長い障害物が目立つようになる。
それに伴って、敵のバリエーションも増える。中でも注意すべきは、一定時間おきに3方向に弾を発射する「浮遊砲台型」の敵。これが画面中央で立ち止まるような配置になり、非常にいやらしい。
そして、このステージで私は「バリア(B)」の重要性を知る。
Bパネルを3つ集めてバリアを張ると、一時的に地上の障害物にも敵にも当たり判定がなくなる。つまり、完全な無敵となる。
ただし、使用中は対空ショット(Bボタン)が封印される。つまり、敵が空中から来たら避けるしかない。この制限がまた絶妙。
しかし、バリアの使いどころは「パネル回収中」と「ボス前」とで悩む。使えば楽になるが、使いどころを誤ると、後が怖い。
このステージの中盤、自機の真下に“影”のような存在が現れる。
それに気づかず通り過ぎようとすると……「ガシャンッ」という音と共に、画面エフェクト。自機が変形し、巨大なロボット形態へと変わった。
変形中は無敵。さらに敵を「吸い込む」特性まである。
一見、バリアの上位互換に見えるが──致命的な欠点がある。
・攻撃不能(対空・対地ともに)
・変形解除直後に「吸い込み残し」で敵が残る
・勝手に変形するので任意タイミング不可
この「ロボ化」は、地形の狭い場面やパネル回収中に勝手に起こると致命傷になりうる。無敵だが、制御できない。そんな存在だ。ロマンの罠。
終盤、敵の密度はさらに上昇。空中・地上ともに同時対応を迫られ、パネルもミスなく破壊しないとパワーアップに間に合わない。もはや反射神経より「動作パターンの構築」が必要になる。
ステージ3:初の中ボス戦と、“一撃必殺”のシステム解明
ステージ3は、空に金属パイプが無数に配置され、画面が狭い。
空中の自由度は下がり、回避の選択肢が減ってくる。対空ショットを強化していないと、このステージは苦しい。
背景が荒れ地に変化し、敵が左右から不規則に出現する。地形を縫うように動く必要があり、3面にして一気に“後半戦”のような難易度となる。
中盤、またしても影。だが、今回はロボ化せずにスルー。無視すべきときは無視。判断のトレーニングが始まっているのかもしれない。
そして、ステージ終盤──
ついに姿を現す初の「ボス」。名はメガ・アーガス。
巨大な金属塊が、ゆっくりと画面中央に構える。が、弾を撃ってこない。……あれ、戦わないのか? そう思った次の瞬間、周囲に雑魚敵が無限に湧き出す。
このままではジリ貧だ。どうやって倒す? 対空攻撃は通らない。
試しに「Aボタン(対地攻撃)」を撃ってみると──
ボスの中央部がオレンジに光る瞬間だけ、ダメージが入る!
つまりこれは「一撃必殺」のタイミングゲー。中心の発光に合わせて、対地攻撃を命中させる。言うは易し、やるは超難。
「B」パネルを2つ溜めていた私は、最後の1枚を目の前の通路で拾う。バリア発動! 無敵時間で雑魚を無視し、慎重にタイミングを測り──
オレンジに光った一瞬に、Aボタンッ!!
──命中。メガ・アーガスは爆発四散。
画面は一転、着陸演出へ。
中央に現れる曲線。そこに合わせて、高度と位置を調整しながら滑走路へ接地。この「着陸ミニゲーム」がなかなか難しい。
うまく決まると、先ほど壊した「L」パネルの数だけスコアボーナスがもらえる。意味がなさそうに見えたパネルにも、ちゃんと意味がある。
第1話まとめ:学ぶことが多すぎた開幕戦
対空と対地、どちらを優先するかで戦術が変わる
パネルは記憶せよ。とくに「P」と「B」は生命線
ロボット変形はロマン。でも封印していい
初ボス戦は、見た目以上に頭を使う
次回、【第2話】ではステージ4〜6の中盤戦へ。
敵の火力が本格化し、背景ギミックも本気を出してくる。ここからが本当の「空と地の戦争」だ。